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「人」がわかると商品もわかる。コープの商品に携わる“中の人”をとおして想いを届けます。

From宮城県 塩釜市 極洋食品(株)のお仕事流儀

From宮城県 塩釜市極洋食品(株)のお仕事流儀

季節を越えて旬の味覚をお届け
最新鋭の技術が育む煮魚のおいしさとは

2024.08.08

極洋食品
「CO・OP骨取りさばの味噌煮」
「CO・OP骨取りさばのみぞれ煮」

※お取り扱いは生協によって異なります。


便利さとおいしさを兼ね備えた「CO・OP骨取りさば」シリーズは発売から約20年、今や年間約1000万パックを売り上げる超ロングセラー商品に成長。なんと今年(2024年)の1~2月に行われた全国の生協職員による人気投票では栄えある1位を獲得しました。
そんな大ヒット商品の舞台裏を探るべく共同開発メーカー極洋食品の塩釜工場を取材してきました。

INTERVIEW

極洋食品「CO・OP骨取りさばの味噌煮」「CO・OP骨取りさばのみぞれ煮」

身はふっくら柔らかい手作りの味が再現された「CO・OP骨取りさば」シリーズ。冷凍庫にストックしておけば、つくりたてのおいしさがいつでも味わえます。湯せんもしくは電子レンジで温めるだけでできあがり

組合員からの声からはじまった
「骨取り魚」シリーズ

骨が嫌だ、料理が面倒、難しい・・・などの理由から、お魚料理は食卓で敬遠されがちです。
「誰もがもっと手軽に食べられるおいしい魚があったらいいのに」という組合員からの声をきっかけに、日本生協連と極洋がタッグを組み「骨取り魚」シリーズの商品開発プロジェクトが発足。
骨取りや調理加工などの技術力はもちろんのこと、おいしい魚の目利きに加え、全国規模での安定供給が可能な生産体制を構築できるパートナーとして、大手水産加工メーカーの極洋が選ばれました。

終始笑顔で商品についての想いを語ってくださった、極洋、極洋食品のみなさん。
左から株式会社極洋 食品事業本部 土居陽介さん・極洋食品株式会社 品質管理部 部長 岩佐直輝さん・
極洋食品株式会社 代表取締役社長 大松英知さん・株式会社極洋 食品事業本部 宮宗邦享さん

「2005年に「CO・OP骨取りさばの味噌煮」、翌年2006年には「CO・OP骨取りさばのみぞれ煮」の供給を開始。以来、味付けの改良やパッケージリニューアルを経て、今や年間約1000万パックを売り上げるまでの大ヒット商品に成長。組合員による人気投票「コープ商品60周年総選挙2020」では見事、2位に輝きました。


鮮度はおいしさに直結!
漁業先進国ノルウェーで買い付け

「CO・OP骨取りさば」シリーズは、ノルウェーさばを使用。脂のりがよく真さばに近い身質で、日本人にも大変親しまれています。厳しい寒さと産卵に備え、たっぷりと養分を蓄えたノルウェーさばは、8月から10月にかけて霜降り状態となり旬を迎えます。

「ノルウェーって実は、漁業先進国なんです。厳格な水産資源管理をするとともに、漁船や加工基地に最新技術を導入し、高品質の魚を世界中に輸出しています。そんなノルウェーへとおいしいサバを求めて、目利きのプロとしての顔ももつ極洋の社員が出向き、1年分の原料を旬の時期に買付けます。なんとその数は約4000t、匹数に換算すると約800万匹(1匹500g換算)。大変、やり甲斐のある数量です(笑)」そう話すのは食品事業本部・宮宗さん。さらに「魚は鮮度が命。おいしさに直結します」と続けます。

最新鋭の技術が導入されているノルウェーでは、鮮度を保つため、水揚げから冷凍保存までの一次加工を、ほぼ人の手を介さないオートメーションで行っています。

  • まき網で漁獲されたさばは、ポンプで海水ごと船内の冷蔵庫へ。港に到着した後は、船を加工基地に横づけし、パイプを通して工場内に送り込みます。

  • 魚体を傷つけないよう、サイズごとに自動選別・自動計量のうえパッキング。工場内に送りこまれてからパッキングまでを、わずか15~20分以内に完了します。

「おいしい・安全・安心」を支える縁の下の力持ち

漁業や加工の現場がオートメーション化される一方で、知識と経験を要する仕入れや骨取りを担う方々の努力も忘れてはいけません。
ノルウェーさばの仕入れで活躍する食品事業本部・土居さんはこのように思いを語ってくれました。
「私たち極洋社員が加工基地で昼夜問わずサバを検品し、的確に網全体の品質の良し悪しを判断して買付けています。全国の生協さんにおいしい商品を安定してお届けするためには、ピークシーズンに高品質のサバを莫大な数量仕入れないといけません。大きなプレッシャーはありますが、その分喜びも大きいですね。」

残骨チェックは目視のほか、手の感触を頼りに、小さな骨の取り残しがないか徹底して確認しています。ちなみに、ベテランワーカーさんともなるとフィレの骨取りが1枚30秒という恐るべしスピード。なんと1日1000枚の骨取りをこなすのだそう。

骨取り加工も機械では難しいお仕事のひとつ。タイとベトナムの骨取り工場では、1本1本すべて手作業で骨取りをしています。さらに、とことん「食べやすさ」にこだわることから、骨取りのほか、実は腹皮、胸ヒレ、腹ヒレも除去されていることも嬉しいポイントです。

おいしい煮魚を安定供給、
目指すは未来型の水産工場

食品製造の現場では、人手不足が年々深刻化している日本。特に地方では人材の確保が難しいと言います。そんな中、安定した供給を確保するため、極洋の国内基幹工場である極洋食品塩釜工場では未来型の水産加工場を目指し、オートメーション化を進めている真っ最中。専門的な作業を確実にこなすマシンやロボットが作業効率化・省人化の支えとなっています。

  • 切り身が入ったパックにタレを充填、
    真空パックにしたあとリフトスチーマーへ

  • リフトスチーマーは煮魚の調理から冷却まで一連の工程をすべて自動で行うことができる装置で、繊細な温度管理もお手のもの。絶品の煮魚が完成します

ここ塩釜工場では煮魚を製造し、最終製品に仕上げていきます。海外で骨取り加工をした切り身を塩釜工場で解凍、タレを充填しパック詰め。その後、スチーマーで加熱し煮魚にします。急速冷凍後に包装を行い、箱詰めを担うのはなんと水産工場では珍しい産業用ロボット。その後、出荷まで徹底した温度管理のもと冷凍庫で保管します。

このようにして塩釜工場では1日約13万パックの生産量を誇りますが、組合員さんからのお申し出は月に3件あまり。極めて少ないことが今回の取材でわかりました。それは常に真摯な姿勢で安心安全な商品を届け続けてきた努力の賜物。
品質管理部部長・岩佐さんはこう語ります。「内容に関わらずお申し出があれば責任者をすぐに招集して報告会を行い、再発防止策を共有。さらに翌日の朝礼では全従業員に伝える体制をとり、従業員が一丸となって安心安全をお届けできるよう日々、取り組んでいます。」

  • 「CO・OP骨取りさばのみぞれ煮」。やや甘めに仕上げた醤油ベースのタレに加えられた大根おろしが
    さっぱりと上品な味わいに

  • 「CO・OP骨取りさばの味噌煮」。信州味噌を使った濃厚な味わいのタレは甘めに仕上げられています

このように組合員、極洋、日本生協連、それぞれの思いが1つになった大人気の「CO・OP骨取りさば」シリーズには、多くの組合員さんから喜びの声が寄せられています。「骨を取る必要がなくて便利・楽・うれしい」、「魚嫌いな子どももパクパク食べてくれる」、「時短おかずでありがたい」、「冷凍でストックしている」、「ごはんが進む味付けでおいしい」などここではご紹介しきれないほど。

最後に取締役社長大松さんはこのように感謝の気持ちを語ってくれました。
「『CO・OP骨取りさば』シリーズは塩釜工場で一番の機動力となる商品。月間300tに及ぶ煮魚の生産量は、おそらく日本一、いや、世界一かもしれません。長年に渡り、全国の組合員のみなさまに買い支えしていただいているからこそ、こうした設備投資もでき、安定した供給も実現できています。本当に感謝しかありません。」
さらに大松さんはこう続けます。「全国の組合員さんや職員さんお墨付きの商品を作っているということが従業員みんなの原動力にもなっています。さらにたくさんの良い商品をお届けできるよう、これからも従業員一同、頑張ります」と意気込みを語ってくれました。

※商品情報・役職等は取材当時のものとなります。

編集後記

取材の際、『「CO・OP骨取りさば」シリーズをきっかけにまずは“魚好き”になってもらえたらこんな嬉しいことはありません』と生き生きと語ってくれた社員さんの笑顔が印象的でした。
「CO・OP骨取りさば」シリーズは食卓以外にもお弁当のおかずとしても大活躍。ちょうどよいサイズ感と白米がすすむ味わいが評判です!お弁当にもぜひご利用ください。

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