Productつくるひと つくるところ

「人」がわかると商品もわかる。コープの商品に携わる“中の人”をとおして想いを届けます。

From ニュージーランド ゼスプリ インターナショナル ジャパンの<br>お仕事流儀

From ニュージーランドゼスプリ インターナショナル ジャパンの
お仕事流儀

自然と共生する
ニュージーランドから
栄養と愛が詰まったキウイフルーツを届けたい

2024.09.19

ゼスプリ インターナショナル ジャパン
「コープきんき共同開発
有機栽培グリーンキウイフルーツ
有機栽培サンゴールドキウイフルーツ」

※お取り扱いは生協によって異なります。


口いっぱいに広がる果汁は甘さが際立ち、ほんのり感じる酸味が爽やか。熟した果実はなめらかな舌触りで、一度食べればまた味わいたくなる。そんな“口福度”の高い果物が、コープきんきが共同開発した「有機栽培グリーンキウイフルーツ」と「有機栽培サンゴールドキウイフルーツ」です。栽培するのは、世界的にも名産地であるニュージーランドのキウイ農園、日本に届けているのは、ニュージーランドに本社をもつゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社(以下、ゼスプリ)。今回は、農園から組合員の食卓に並ぶまでの間に関わる方々に、育てる想い、届ける想いをお聞きしました。

INTERVIEW

ゼスプリ インターナショナル ジャパン 「コープきんき共同開発有機栽培グリーンキウイフルーツ有機栽培サンゴールドキウイフルーツ」

ジューシーな果実は、栄養たっぷりなのはもちろん関わった人たちの愛も詰まっています

ゼスプリが目指すのは
食べた人の健康の先の幸せ

「キウイフルーツは小さな1玉に、栄養がギュッと詰まっています。ゼスプリは、キウイフルーツがみなさまの健康に役立つと信じ、その健康を通した先の幸せに貢献していきたいと願っています」と話すのは、ゼスプリでビジネスプランニングマネージャーを務める江口慎二さん。

フルーツの消費量が減少している日本において、この10年でキウイフルーツの国内販売額を1.6倍にしたゼスプリは、世界最大のキウイフルーツ販売・マーケティング会社であり、その株主はニュージーランドにある3,300軒ものキウイフルーツ生産者というユニークな会社です。
生産地であるニュージーランドの北島は、活火山を抱く豊かな自然が広がる、なだらかな地形が特徴。ここで約3,300人の生産者が、およそ1万5000ヘクタールもの栽培面積を誇る農園で、キウイフルーツを大切に育てています。総集荷量は1年間で65万トン、個数にすると約60億個が世界へ出荷されています。

「栄養豊富なキウイフルーツは“自然のサプリ”。たくさんの人に知ってほしい」とゼスプリ・江口慎二さん

(ゼスプリ・江口さん)
「有機栽培が行われているのは、そのうちの約220ヘクタール、出荷総数はおよそ2万トンです。北島の大地は火山灰が積もってできた水はけのよい土壌で、キウイフルーツの栽培に適しています。特に有機栽培が行われている地域はさまざまな物質が流れ込み、ミネラルをはじめとした栄養素が豊富。他の地域と同じ面積でも収穫数が倍近く多いんですよ。だから、化学農薬を一切使わない有機農法も可能なのです。

ニュージーランドでは、人は自然と共生し、自然を守るガーディアン(守護者)であるという考え方が根付いています。生産者もガーディアンとして、地球や自然に負荷をかけず、より自然に近い形で持続可能な栽培をすることにこだわっています。彼らが自然に寄り添い、育てたキウイフルーツをたくさんのご家庭にお届けしたいですね」。

農園の土は自然と同じように循環させることにこだわり、剪定したつたや葉はそのまま地面に落としています。市販の肥料を使った土壌に比べ、非常に栄養素の高い土壌に育っています。


有機栽培である以上に
サスティナビリティを考えた農園運営

北島の中でも栽培面積の8割を占める場所が、ベイ・オブ・プレンティ。ここのテ・プケというエリアで有機栽培を行っているのが、ジェフさんとシャーリーさんご夫妻です。
「1936年に祖父が始めた農園を引き継ぎ、1990年から完全に有機栽培に切り替えて、今年(2024年)で34年目になります。16ヘクタールの農園では、10名ほどのスタッフが働いてくれています。20年選手になるスタッフもいるんですよ」とジェフさん。3人のお子さん、6人のお孫さんも手伝ってくれるので誇らしい、とニッコリ。

栽培の上で大事にしているのは、「何より愛」と断言するお二人。それは一つひとつに手間ひまを惜しまないということです。シャーリーさんは「木を知り尽くして、どうやったらもっとおいしいキウイができるのかな」と常日頃観察して、実践しています。

(生産者・ジェフさん)
「有機栽培である以上に大切なのが、サスティナビリティを考えてビジネスを進めていくことです。ポリシーとして『環境に負荷がないこと、土壌の管理に厳格であること、働く人たちの労働環境を整えること』を掲げています。私たちはスタッフの募集をしたことがないんですよ。労働環境をちゃんと整えることで、毎年同じ方が『ここで収穫を手伝いたい』と来てくれる。環境も人も持続可能であることが大事です」。

「環境に負荷をかけないこととして、例えば害虫駆除は化学農薬の代わりに自然由来のヒマワリオイルを虫にかけて追い払います。手間がかかりますが、大切なこと。肥料も植物性のコンポスト(堆肥)に魚の骨や貝殻など動物性のものを混ぜて栄養を含んだ堆肥に。キウイフルーツの葉っぱやつるは剪定した後その場に落とし、時間をかけて土に還すことで、さらに土壌が育ちます。

また、自然の受粉をするためミツバチを管理するビー・キーパーを雇い、8個の巣箱にいる18万匹のハチたちに活動してもらっています。ここで生まれたミツバチたちが、お隣りの農園に飛んで行って受粉をお手伝いすることもあり、お互いに助け合っていますよ」

「量より質を確保したい」とジェフさん&シャーリーさんご夫妻

また、経済的なサスティナビリティも非常に大切にしている、とジェフさん。「ゼスプリには非常に厳格な品質管理システムがあります。そこをクリアして日本のみなさんに品質を認めていただいた対価で農園を育てています。私たちは安心・安全でおいしいキウイフルーツを作り続けて、継続的にお届けできるようにしたいと考えています」。

一番いい状態で届けるための
日本での大切な工程

スクスクと育ったキウイフルーツは、厳しい基準をクリアした果実だけが手作業で丁寧に摘み取られ、収穫された園地・場所を識別するコードをつけて出荷されます。特にオーガニックキウイは、毎年の土壌検査や残留農薬テストをクリアしたものだけ。慣行品とは分けて選果され、いよいよ日本に輸入されます。

日本に到着したキウイフルーツが向かうのは、株式会社ケーアイ・フレッシュアクセス(以下、KIFA)が管理する室(むろ)。実はニュージーランドで収穫された果実はまだ固く、一番おいしい状態で食べてもらうために、完熟の少し手前の状態で出荷され、最後の仕上げとして追熟を行うのです。「KIFAでは、キウイフルーツを仕入れ、保管し追熟してから全国の生協へお届けしています」と教えてくれたのは、KIFAの関東・東北営業部副部長・酒井宏明さんです。

「私もそのおいしさから、家族で毎日食べるようになりました。ご年配の方はキウイフルーツというと酸っぱいイメージをお持ちの方が多いようですが、とても食べやすいですよね。生産者さんの想いも含めてお一人からでも伝えていきたいです」と語るのは、KIFAの関西営業所所長付・大山康文さんです。

「ベストな状態を目指して、室では温度管理を行なっています。有機栽培グリーンキウイフルーツと有機栽培サンゴールドキウイフルーツは、オーガニックで品質もよく、栄養素も高い。いつ食べても甘味や酸味のブレがない、という点が魅力ですね。まだまだ食べてもらえるポテンシャルを感じます」と酒井さん。

「オーガニックのよさを私たちからも伝えていきたいという気持ちで携わっています」
左/大山康文さん、右/酒井宏明さん

次の世代へ伝えたいストーリーがある。
それが生協ならではの魅力

「ジェフさんをはじめ、ニュージーランドの生産者のみなさんは、育ててただ出荷するだけではなく、自分に関わった人たちに恩返ししたいという思いがあり、地球に何か貢献できないかということを常に考えて取り組んでいらっしゃる。そこが商品を取り扱いたいと思った最大の魅力ですね」そう振り返るのは、商品を組合員の元へ届ける日本生活協同組合連合会農産グループの石川義光さん。

「少し目線を変えれば大自然が広がるニュージーランドは、そこを守らなくちゃいけないという意識がとても高い。日本人と通ずるところでもありますが、環境意識の高さを感じる場面が多いです。そういうところも商品に乗せて、組合員のみなさんへお届けしたいと思っています」。

コープきんき宅配商品部農産グループの岡本夏実さんは、「生協の果物を組合員に安心してお召し上がりいただきたいという思いがありますが、手に取る動機として『自分の子どもに食べて欲しいから始めました』という方が多いのが生協。だからこそ価格だけでなく、ニュージーランドでどんな風に有機栽培されているか、どんなこだわりや環境への配慮があるかという背景もお伝えし、選択肢として有機栽培の商品を扱っていたい」と力強く語ります。

「有機栽培キウイフルーツは、生協らしい商品。その想いも届けたい」
左/石川義光さん、右/岡本夏実さん

「組合員発信で、組合員が望む商品を調達するのが生協です。実現が難しい商品でも、全国の生協が1つになって一緒に開発して、一緒に販売していく。それが生協の姿です。今、日本に輸入されるニュージーランド産有機栽培キウイフルーツの半分を、生協が扱っています。すべてではないのですが、割合としては他店ではなかなか並ばない、生協のシンボリックなフルーツ。だから生協が1つになって、生産者のストーリーと愛も一緒に、これからもしっかりと組合員にお届けしていきたいですね」。(石川さん)

力を合わせて、おいしいキウイを皆さんにお届けします!

※商品情報・役職等は取材当時のものとなります。

編集後記

受粉はミツバチに、土を耕すのはミミズに任せ、肥沃な土壌で1玉1玉丁寧に育てられる有機栽培のキウイフルーツ。愛情と強い思いがなければ持続しない、気が遠くなるような栽培方法です。半分にカットし、滴る果汁に嬉々としながら、スプーンですくってはそのストーリーに想いを馳せていただきます。おいしい、という気持ちを通して自然を守ることの大切さを学ぶ、とても幸せな学びの体験です。

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