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Productつくるひと つくるところ
「人」がわかると商品もわかる。コープの商品に携わる“中の人”をとおして想いを届けます。

From石川県株式会社スギヨのお仕事流儀
能登と共に歩み、
能登と共につくる味。
新しい「食」を発信し続ける
老舗メーカー
2026.02.04
野菜ちぎり天シリーズ
CO・OP蟹足風カニカマ
※お取り扱いは生協によって異なります。
おつまみに、お弁当に、「あと一品」に…と、とにかく重宝すると好評の「野菜ちぎり天」シリーズ。魚のすり身にごぼうやれんこん、たまねぎなどの野菜を混ぜて揚げた練り天で、噛むほどに魚のうま味と野菜の味わいが広がります。ひと口サイズなので食べやすく、小さいお子さんからご年配の方にまで人気の定番商品です。
同じく魚のすり身を使い、まるで本物の蟹足のような風味や繊維感を再現した「CO・OP蟹足風カニカマ」も、そのままでもおいしくサッと使えて便利な一品。ジューシーで、おつまみやサラダに彩りを添える商品として、リピートする組合員が後を断ちません。
この両方を製造しているのが、石川県七尾市に本社工場を構える株式会社スギヨ(以下、スギヨ)。今やさまざまなメーカーが製造し、海外でも「surimi(スリミ)」として愛されるカニカマですが、実は世界で初めて生み出した会社がスギヨなのです。
今回は、新しい食を創造する開発力のヒミツや想い、技術について、お話をお聞きしました。
INTERVIEW

シャキシャキしたれんこんの食感と、ピリッと一味をきかせた風味がおつまみにぴったりの
「れんこんちぎり」
創業は1640年。
伝統的な食文化と技術を
日本海に抱かれた、自然豊かな能登半島の中ほどに本社を構えるスギヨ。創業は江戸時代まで遡ります。社名の由来でもある杉野家の「杉野与作」が魚問屋を始め、初代・杉野作太郎が、近海で獲れるアブラツノザメやタラを原料にしたちくわの製造を開始しました。「現在は、主にスケソウダラをすり身の原料にしています。スケソウダラの割合を多くすることで、弾力が増すんです」と説明してくれたのは、北陸工場工場長の古川 竜太朗さん。能登の魚問屋から始まったスギヨは、現在では生産・販売拠点が北は札幌から南は福岡、またアメリカ・ワシントン州アナコルテスまで広く分布し、それぞれ生産品が分かれています。
古川さんが所属する北陸工場で主に製造されているのは、ちくわ、野菜ちぎり天などの揚げかまぼこ、うなぎ風蒲鉾(かまぼこ)です。
「2009年頃、『野菜を使った揚げかまぼこを、より手軽に召し上がっていただきたい』と開発したのが、野菜ちぎり天シリーズです。特にコープの組合員さんへお届けする『国産野菜ちぎり天』には国産の野菜を使用し、手に取りやすく、食べやすいという点にこだわりました。だから、あえて一粒あたりのサイズを小さく、1パックあたりの量も抑えた食べきりサイズを目指しました」。
野菜ちぎり天には、ごぼう、玉ねぎ、れんこん、
しょうが、生協限定のつぶコーン、えだまめがあり、
それぞれ野菜の甘みやシャキシャキ食感、
香ばしい香りが食欲をそそります。
「野菜それぞれの味を活かし、食感をしっかり感じられるように、すり身と野菜のバランスは特にこだわりました。また食感を楽しんでいただくため、一口サイズに成形したら、二度揚げしています。
一度目は低温でじっくり熱を通し、二度目にこんがり焦げ目をつけることで、外はほんのりカリッと、中はふわっとしたすり身の食感と野菜の食感を味わえます。そして直後に急速冷却して、おいしさを閉じ込めているんですよ」と古川工場長。
左から北陸工場・工場長の古川 竜太朗さんと、
商業団地工場・工場長の村中 健介さん
使用する野菜は、その時おいしい野菜を各地から仕入れますが、2007年から運営を開始した自社農場で育つ野菜の場合もあるそう。「海(水産加工品)と大地(農作物)、双方の恵みを融合させることで、新商品や新事業につなげていきたいと考えています」。
工場内では原料を間違えないよう色分けして
管理され、アレルゲンとなる小麦や卵などの調合は
ほかの原料に
混ざらないよう専用ブースで調合され
ます。食の安全安心を第一に、徹底した管理の下、
製造されています
「スギヨ」の代名詞は
100年に一度の大ヒット商品
スギヨといえば、世界で初めて「カニ風味かまぼこ」を作ったメーカーとしても有名ですが、実は失敗から生まれた商品だったそうです。
「二代目社長の杉野芳人が、昆布からとれるアルギン酸で人工クラゲを造ろうと開発を進めていましたが、一年かけた研究の末、商品化には至りませんでした。ですが、その失敗作の食感がカニに似ていることに気づきました。人工クラゲは失敗したけれど、カニはいけるんじゃないかと。とはいえ、カニの味や香りをつけるために試行錯誤を繰り返しましたし、カニ身の繊維質を再現するのは一番難しかったそうです」と村中工場長。
発売当時は「ニセモノなんていらない」とすさまじい反発はあったものの、本物のような食感や風味、手軽さが徐々に評判となり、今では日本の食卓に当たり前に登場する様になったスギヨのカニカマ製品。
カニの食文化が根付く能登だからこそ生まれたカニカマの発明は、その後の食に大きな影響を与えたことで、カップラーメン・レトルトカレーと並んで、「食の戦後三大発明」といわれるまでになりました。
1972年『珍味かまぼこ・かにあし』が
発売された頃の広告。
「かにの様で、かにでない」をキャッチコピーに、
瞬く間に全国へ広がり、そして海外へ
「CO・OP蟹足風カニカマ」。
ちょうどいい容量で2つに分けられて
密封されているので、使い勝手も良い
ぽってりとした肉厚の「CO・OP蟹足風カニカマ」は、見た目も風味も本物と遜色なく、噛んだ時の弾力や、ほどける繊維感、ジュワッと広がるうま味がたまりません。
「カニらしい繊維感や食感を再現するためには、原料となる魚肉の選定や成形、熱の入れ方も重要です。ご家庭で使いやすく、お弁当にも活用しやすいカニカマづくりに取り組んでいます」。
うなぎじゃないのに
うなぎの満足感を追求
もうひとつご紹介したいのが、スギヨの技術を存分に発揮した「CO・OP蒲焼風うな蒲ちゃん」です。見た目は写真の様にうなぎの蒲焼そのものですが、うなぎを使わず、魚肉で蒲焼の質感と風味を再現した商品です。うなぎの蒲焼の焦げ目やタレの絡み方、ふっくらとした口当たりなど、なんとも細やかな再現度で、「食べる前に眺めたい」という別の欲望さえ湧いてきませんか?
日本の食卓を変えたと言われるほど大きな発明品・カニカマを世に送り出してからも、さらにカニカマ商品をブラッシュアップし、種類を増やし、新しい練り物製品を開発し続けるスギヨ。
能登から世界へ、これからも新たな「食」を発信するスギヨから目が離せません。
※商品情報・役職等は取材当時のものとなります。
編集後記
今回の取材でとびきりの笑顔で迎えてくださったのが、スギヨの「カニカマレディー」さん。入社5日後から自らカニとなり、カニカマがさらに愛される食品になるよう、全力でその魅力を伝えてくださいました。またカニカマ誕生50年を記念して制作された映像作品「カニカマ氏、語る」では、スギヨの歴史や開発秘話を、英国紳士風の「カニカマ氏」が語っています。こんなところからも、スギヨの強みである創意工夫やチャレンジ精神が垣間見えたのでした。

























