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Productつくるひと つくるところ
「人」がわかると商品もわかる。コープの商品に携わる“中の人”をとおして想いを届けます。

From高知県明神水産株式会社の
お仕事流儀
わら焼きの香りが食欲をそそる
鮮度自慢のかつおを食卓へ
2026.07.14
わら焼きかつおタタキ
(南方かつお)
※お取り扱いは生協によって異なります。
INDEX
土佐料理の代表格といえば、かつおの表面を直火で炙り、塩やポン酢、ニンニクなどの薬味でいただく「かつおのたたき」。中でも本場・高知県で創業して以来、地元民からも太鼓判を押される明神水産の「わら焼きかつおのタタキ」は、口に運んだ瞬間、わらの香りがふわりと立ち、赤身のうま味がじんわり広がる、鮮度抜群の一品です。
今回は、そのおいしさの理由や想いをうかがうために、高知県幡多郡に本社を構える明神水産を訪ねました。
INTERVIEW

1匹ずつ釣り上げる一本釣り。
7kgほどある南方かつおを釣り上げる漁師さんたちの技術や体力は計り知れません
一本釣りと船上凍結。
鮮度を守る原料へのこだわり
「『わら焼きかつおのタタキ』の原料は、一本釣りした最高ランクのかつおです。かつおに傷がつかないよう、巻き網漁法ではなく漁師たちが一本釣りし、釣り上げたら船上で生きたまま一気に冷凍します。海から釣り上げた瞬間冷凍するようなスピード感なので、解凍した時の鮮度は非常に良い状態になっています」。そう誇らしげに説明してくれたのは、明神水産の第一営業部部長・亀谷 領一さん。
陸まで運んでから凍結する方法もある中、船上でまずマイナス30度まで一気に冷やし、最終的にはマイナス50度の状態で冷凍する「B1」という方法は、鮮度を保つ上で業界最高の技術。
「かつおは、特に鮮度が落ちやすい魚なんです。鮮度が低いと解凍した時の身の色変わりの速さや匂いなどに影響してくるので、何より鮮度を大切にしています」。
明神水産の第一営業部部長・亀谷 領一さん
近年、戻りかつおの漁獲状況にも変化があり、現在「わら焼きかつおのタタキ」の原料は、南方で獲れたかつおが使用されています。南方の赤道付近まで大型漁船で10日間ほどかけて向かい、経験豊富な漁師たちによって釣り上げられた「B1」の南方かつおは、いったん静岡県の焼津で水揚げ。加工され、冷凍のまま高知県の工場へ届けられます。
「戻りかつおは寒い北の方から日本に戻ってくるので、小ぶりで脂が乗っていますが、南方かつおは大きく、身の質が安定していて、脂があまりないので赤身がすごくきれい。それぞれに良さがありますが、南方かつおは本来のかつおの味わいを存分に楽しんでいただけます」。
上質のわらの炎で、
うま味を引き出す
第一営業部の田上 雄祐さん・
第一営業部の明神 遥己さん
厳選したかつおのおいしさをさらに引き上げているのが、食欲をそそるわら焼きならではの香ばしさ。第一営業部の明神 遥己さんは「大切なのは、強い火力で一気に表面だけを焼き上げること」と語ります。「かつおのうま味は、身と皮目の間の脂に詰まっています。だから、かつお本来のおいしさを引き出そうと思ったら、わら焼きが最適なんですね。瞬時に高温で焼くことで、表面は香ばしく、中はしっとりとした食感になり、うま味が最大限に引き出されます。炭火やバーナーでは、わらのように一瞬で大きな炎を上げることは難しいので、昔から伝わるわら焼きは理に叶った調理法なんです」。
そのために必要なのが、しっかり乾燥していて、ストロー状に空洞になった勢いよく燃えるわら。明神水産の驚くべきは、上質のわらを確保するために自社ファームを持ち、稲から育てていることです。
おいしいかつおのたたきを作るための取り組みは、田んぼから始まっているのです。
自社ファームで、
理想のわらを育てる
明神ファームの一部の田んぼ。
ここだけで2町ほど(1町=約3,000坪)の広さがあり、県内には計11町もの田んぼがあります
明神ファームがあるのは、海もほど近い自然豊かな山間部。休耕田を活用し、地元の米農家の方々にアドバイスをもらいながら、未経験だった3名のスタッフが稲作に取り組んでいます。
「明神水産に30年いますが、わら焼きのわらって、本当に大事なんですよ。良いわらで焼くと、やっぱり全然かつおの風味が違う。ここで収穫したわらを、さらに乾燥室に保管して勢いよく火がつくところまで乾燥具合を整えます。昨年は1束3kg程度にまとめたわらを、年間で4万2,000束収穫しました。それでもまだまだ足りないので、その分は農家さんから仕入れています」と説明してくれたのは、明神ファーム係長・安森 傑(すぐる)さん。

「育てた米は高知県内にある自社の飲食部門で提供し、わらはわら焼きの素材の一部となります。まだすべてのわらを自社ファームで生産することはできないので、少しずつ作付け面積を広げていく予定です」。
(左)明神ファーム係長・安森 傑さん。
農家未経験でファームに配属されたものの、
「農業にどハマりした」と、日々良質のわらを作るためチームで奮闘中
収穫したわらは、いったんハウスで乾燥させ、その後さらに乾燥室で調整を行います。火をつけると一気に燃え上がり800度まで達する理想のわらを目指します。
25〜30%の水分含有量を、除湿機が置かれた乾燥室で15%以下になるよう調整
冷凍のまま加工し
鮮度を保ったまま出荷
船上で冷凍加工されたかつおは厳選され、品質検査などを経て、明神水産の工場へ。商品の規格に合わせて、人の手でカットしていきます。戻りかつおは1.5kg〜2.5kg、南方かつおは7kgと大きさは倍以上、商品によってサイズも異なるので、冷凍かつおが溶けないよう手早くカットするのも技術が必要です。
「魚ってね、頭と尻尾、骨を外すと身の50%がなくなるんですよ。1匹7kgの南方かつおも半身で25%程度。それを1ブロック70〜120g前後になるようカットして、2ブロックで180gになるように組み合わせます」と教えてくれたのは、業務推進部部長・明神 亮太さん。
「『わら焼きかつおのタタキ』の要は、もちろんわら焼き工程。カットした後、冷凍のままわら焼きの工程に入ります。上のベルトコンベアにかつおを並べ(魚乗せ)、下のベルトコンベアには、わらを均等に設置して、下から瞬間的に炙るようにしていきます。わらの温度は800度程度、そこに約30秒ほどかつおを炙るようにしています」。
(左上)火力が偏らないよう、わらを均等に設置
(右上)皮面を下にして冷凍かつおのブロックを均一に
並べます
(左下)勢いよく燃え上がるわら
(右下)わらの香りを瞬間的にしっかりと付けます
「わら焼きでこんなに激しい炎に包まれても、中は冷凍されたままなんですよ。その後、わら焼き加工の状態を人の目でチェックし、真空パックしたらマイナス35度の冷凍溶液に浸けて急速冷凍します。わら焼きの工程からここまでを、いかに早くするかで鮮度や品質も左右されるので、スピードが求められる大事な工程です」と第一営業部の田上 雄祐さん。

かつおを一番おいしい状態で楽しんでほしい。そんな想いがそのまま形になったような明神水産の「わら焼きかつおのタタキ」。海から食卓へ直送されたような新鮮さ、しっかりした赤身のうま味、そしてすっきりとした香ばしさを感じるわらの香りを堪能していると、情に厚く、もてなしの心が強いといわれる土佐気質に触れたようで、お腹も心も贅沢な気分になります。

―【Column】―
塩にもこだわりあり。
太平洋から生まれる天日塩
「わら焼きかつおのタタキ」は、ポン酢の香りが爽やかなタレでいただきますが、高知県で作られている天日塩でシンプルにかつおの風味を満喫する「塩で食べる わら焼き戻りかつおたたき」も、おすすめしたい一品です。
太平洋の海水から太陽光と風の力を利用し、時間をかけて結晶化させた天日塩はまろやかな味わいで、かつおのうま味と、香ばしさをそれぞれ引き立ててくれます。
▶塩・タレ以外にもこんな食べ方
「天日塩とごま油、生ニンニクとマヨネーズとの組み合わせもおすすめ。ぜひお試しください」(亀谷さん)
明神水産が取り扱う天日塩を製造する、塩職人の一人である吉田拓丸さん。
太平洋に面した海岸沿いのネットを張ったタワーの上から海水を掛け流し、太陽光と風の力だけで少しずつ水分を蒸発させて塩分濃度を高め、製塩ハウスで毎日様子を見ながら結晶化させます。
晶化するまで、夏場で1週間から10日、冬場で1ヶ月かかるそう。
※商品情報・役職等は取材当時のものとなります。
編集後記
取材中、日課の漁から帰ってこられた社長・明神 正一さんに偶然お話を聞くことができました。明神水産を立ち上げたのは、社長の父・明神 亀次さん。一本釣りの漁師だった亀次さんが、たたきまで加工製造する会社へと創業し、当時は兄弟やその配偶者など、家族だけで切り盛りしていたそう。徐々に販路を広げて現在に至るまで、「ほんまに皆さん手探りで、苦労しました」と振り返ります。
現在は、一人で毎朝海へ出て、獲った魚を社員の皆さんに食べてもらうのが日課です。
「社員は大事。元気なうちは釣りに行って、どうか皆さん食べられてよ。」と話す正一さんの笑顔に、「わら焼きかつおのタタキ」のおいしさの理由が見えたような気がしました。
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明神水産社長・明神 正一さん
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鯉のぼりならぬ、かつおのぼりが泳ぐ高知の青






















