Quality安全・安心 基本の考え方

コープきんきは、組合員に安全・安心をお届けするための取り組みを進めています。

遺伝子組換え食品について

2023年4月から遺伝子組換え食品の表示制度が変わります

消費者が正しく理解できる情報の発信をめざして国の制度が一部改正され、食品表示において「遺伝子組換えでない」と表示できる条件が厳しくなります。

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新たな遺伝子組換え表示制度概要

  • ・現行制度では、大豆・とうもろこしに限り、混入を5%以下に抑えていれば「遺伝子組換えでない」と表示することが認められています。
  • ・新しいルールでは、遺伝子組換えの混入がないと認められる場合のみ、「遺伝子組換えでない」と表示でき、遺伝子組換えの混入を5%以下に抑えている大豆・とうもろこしについては「分別生産流通管理済み」などと表示できるようになります。

これにともない、コープきんきでは2023年3月4回からカタログ紙面の表示を変更します

  • ・「分別生産流通管理済み」などと表示されている商品に対して、紙面にて「分別生産流通管理」と表示します。
  • ・正確な情報提供のために表示対象品目を基本的に「豆腐・油揚げ・納豆・味噌」に絞ります。

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詳しい内容をみていきましょう

これにともない、コープきんきでは2023年3月4回からカタログ紙面の表示を変更します

まずは遺伝子組換え表示の義務表示制度について

遺伝子組換え表示制度には、「義務表示制度」と「任意表示制度」があります。
今回改定されるのは「任意表示制度」のみです。

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「義務表示制度」は変わりません

安全性が科学的に認められているとはいえ、「遺伝子組換え食品を選びたくない」という人もいます。
そこで、「大豆」「なたね」「とうもろこし」「じゃがいも」「わた」「アルファルファ」「てんさい」「パパイヤ」「からしな」9つの遺伝子組換え農産物と、それらを原材料とした33の加工食品群については、「遺伝子組換え」または「遺伝子組換え不分別」などと表示することが義務付けられています。
この「義務表示制度」は、今回変更されません。

※加工食品の場合、重量に占める割合の高い原材料の上位3位までのもので、原材料・添加物の重量に占める割合が5%以上のものが義務表示の対象

「任意表示制度」が変わります

遺伝子組換え農産物を使用していない場合、「遺伝子組換えでない」と表示する必要はないのですが、任意で表示することもできます。
今回は、消費者の要望を受け、さらに正確な情報を提供するため、この「任意表示制度」が変更されます。

今回改正されるのは
マークの任意表示部分のみです。

今回改正されるのは▶マークの任意表示部分のみです。

第46回消費者委員会食品表示部会資料4をもとに作成

組合員さん

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なぜ改正するの?

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情報がより正確に伝わるようにするためです

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現行制度では5%の混入が認められています

原材料
大豆(遺伝子組換えでない)、・・・・・

「分別生産流通管理*」を行い、このように表示されていても、遺伝子組換えのものが意図せず少しだけ混入してしまう場合があります。そこで現行制度では、大豆・とうもろこしに限り、混入を5%以下に抑えていれば「遺伝子組換えでない」と表示することが認められています。

*分別生産流通管理とは?
遺伝子組換え農産物の混入を防ぐため、生産・流通・製造加工の各段階で、遺伝子組換え農産物と分けて管理すること

より厳格な表示になります

新しい表示ルールは下記のとおりです。

  • ・遺伝子組換えの混入がないと認められる場合のみ、「遺伝子組換えでない」と表示できます。
  • ・遺伝子組換えの混入を5%以下に抑えている大豆・とうもろこしについては「分別生産流通管理済み」などと表示できます。

2023年4月1日までに、あらたな制度にもとづいた表示が食品にされるようになります

ただし、それ以前に製造された食品では、一部旧制度にもとづく表示の場合もあります。

下記のような表示に変更されます

【豆腐の例】

【豆腐の例】
  • 原材料名 大豆(カナダ)(遺伝子組換えでない)/凝固剤(塩化マグネシウム含有物)
  • 原材料名 大豆(カナダ)(分別生産流通管理済み)/凝固剤(塩化マグネシウム含有物)

つぎに、コープきんきのカタログ紙面表示について

国の表示制度改正を受け、コープきんきのカタログ紙面においても2023年3月4回より遺伝子組換えに関する表示を変更します。

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組合員さん

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具体的にどんな表示になるの?

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下記の2つの表示内容が変わります

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「分別生産流通管理」の表示を開始します

従来から紙面で表示してきた「遺伝子組換えでない」「遺伝子組換え不分別」「遺伝子組換え」に加え、あらたに「分別生産流通管理」を追加します。
「分別生産流通管理済み」などと表示されている商品に対して、紙面にて「分別生産流通管理」と表示します。

  • 【商品パッケージ】原材料名 大豆(カナダ)(分別生産流通管理済み)/凝固剤(塩化マグネシウム含有物)【商品パッケージ】原材料名 大豆(カナダ)(分別生産流通管理済み)/凝固剤(塩化マグネシウム含有物)
  • 【カタログ紙面】大豆:分別生産流通管理【カタログ紙面】大豆:分別生産流通管理

正確な情報提供のために表示対象品目を基本的に「豆腐・油揚げ・納豆・味噌」に絞ります

これまでのカタログ紙面では、包材の一括表示の原材料欄に「遺伝子組換えでない」等の記載がある場合に紙面表示をしてきました。

例:「原料:遺伝子組換えでない」

しかし、このような表示は、原材料のすべてが「遺伝子組換えでない」と言えない場合には、不正確な情報提供となっている面がありました。

【例:納豆商品にて】

○大豆:「遺伝子組換えでない」(原材料欄に表示あり)
○添付タレの原料しょうゆの大豆:「不分別」(原材料欄に表示なし)

現行の紙面の表示方法:「原料:遺伝子組換えでない」

この場合、しょうゆの大豆も含めた全ての原料が遺伝子組換えでないとの誤認を招く可能性があります。

消費者庁は、食品に「遺伝子組換え原料不使用」等の強調表示をする場合には、すべての原材料について分別生産流通管理が行われている必要があるとし、また、遺伝子組換え農産物が存在しない農産物に「遺伝子組換えではありません」などと表示することも、禁止事項としています。

今回の国の表示制度改正は、「情報が正確に伝わるように」との趣旨で行われ、これを機に生協のカタログ紙面においてもより正確な情報提供を行うようにします。

具体的には、原材料の種類が多い食品においては、紙面にて正確な情報提供を行うスペースが取れないことから、紙面表示品目は基本的に「豆腐・油揚げ・納豆・味噌」に絞ります。また主原料ではない添付タレや揚げ油などは表示対象としないこととします。

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なお、紙面で確認できない情報については、
eフレンズの原材料名の表示からご確認いただけます

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eフレンズ【表示例】eフレンズ【表示例】

co.op野菜たっぷり和風ドレッシング500mL

原材料
食用植物油脂(国内製造)(なたね油(遺伝子組換え不分別)、大豆油(遺伝子組換え不分別))、たまねぎ、しょうゆ(大豆(分別生産流通管理済み)・小麦を含む)、砂糖、醸造酢、チキンエキス、にんにく、食塩、乾しいたけ、しょうが

※「遺伝子組換え原料」欄は廃止します。「使用原材料/添加物」欄からご確認ください。

ご不便をおかけしますが、ご理解のほどお願いします。

遺伝子組換え食品についての考え方

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組合員さん

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遺伝子組換え食品ってどんな食品?

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遺伝子組換え食品とは、他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、その性質を持たせたい植物などに組み込む技術を利用して作られた食品のことです

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現在、厚生労働省により安全性が確認され、日本で輸入が認められている作物は以下の9品目です。
(2022年4月現在)

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組合員さん

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なぜ遺伝子組換え食品を作るの?

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遺伝子組換え食品を作るメリットに
・病気や害虫に強い作物にする
・雑草を取り除く作業を楽にする
・収穫量を多くする
・特定の栄養成分を多くする
・環境の保全
などがあります

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従来の育種技術では不可能と考えられていた、害虫抵抗性や除草剤耐性の農作物を作ることができます。

例えば、害虫抵抗性のとうもろこしでは、茎の内部にいて、外から農薬をまいてもなかなか死なない害虫の繁殖を抑えることができます。また、除草剤耐性の大豆では、雑草を除く作業が楽になるだけでなく、雑草を取り除くために土を掘り返さなくてもよくなるため、地表の土壌が風により舞い上がって失われるのを防ぐことができます。
米国ではこのことが深刻な環境問題となっているため、環境保全にも大きなメリットがあるとされています。

  • 特定の害虫に耐性があるとうもろこし農薬に頼らなくても害虫の被害が少なくなったよ特定の害虫に耐性があるとうもろこし農薬に頼らなくても害虫の被害が少なくなったよ
  • 特定の除草剤の影響を受けない大豆雑草を取り除く作業が楽になったよ特定の除草剤の影響を受けない大豆雑草を取り除く作業が楽になったよ

今後は、これまで農作物の栽培に適さなかった乾燥地などでも栽培できる作物など、さまざまなメリットのある農作物が開発されると考えられています。

組合員さん

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安全性や自然環境への影響は?

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日本で流通している遺伝子組換え農作物は、国際的に認められたルールに基づく評価や審査を受けたものであり、安全性が確認されたものだけが商品化され販売されています

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安全性審査では、以下のようなポイントがチェックされています

  • ・遺伝子を組み込む前の作物(既存の食品)、組み込む遺伝子、ベクター(遺伝子の運び屋)などはよく解明されたものか。ヒトが食べた経験はあるか。
  • ・組み込まれた遺伝子はどのように働くか。
  • ・組み込んだ遺伝子からできるタンパク質はヒトに有害でないか、アレルギーを起こさないか。
  • ・組み込まれた遺伝子が間接的に作用し、有害物質などを作る可能性はないか。
  • ・食品中の栄養素などが大きく変わらないか。

環境影響の評価では、農耕地以外の生態系に侵入して在来の野生植物を駆逐してしまうこと、遺伝子組換え農産物が作りだす有害物質で周辺の野生動植物などが死滅してしまうこと、近縁の野生種と交雑することで、野生種が交雑したものに置き換わってしまうことがないかなどが確認されています。

遺伝子組換え食品についてコープきんきはこのように考えています

遺伝子組換え食品に関しては様々な意見がありますが、現時点において、遺伝子組換え食品が原因となる「人・家畜・環境への悪影響」が発生したという事例は確認されていません。また、世界の食料を増産させるという面では、遺伝子組換え食品は、今後、増え続ける人口に対する食料確保に貢献できる技術になりうる一面もあります。

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反対、賛成といった単純なものではなく、この技術のメリットやデメリットを正しく判断したうえで評価することが大切と考えています。
これらの点を踏まえ、コープきんきでは、国内で安全性が確認された遺伝子組換え食品については、取り扱いをしないということはいたしません。

いただく不安への声については、情報を整理し事実を伝えていくよう努めます。

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