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Productつくるひと つくるところ
「人」がわかると商品もわかる。コープの商品に携わる“中の人”をとおして想いを届けます。

From奈良県巽製粉株式会社の
お仕事流儀
焼き立ての幸せを、毎日の食卓へ。
おうちで仕上げる“半焼成パン”
2026.10.08
CO・OPブラウンサーブロール
(半焼きタイプ)
10個入り各種
生協の食パン、生協のロールパン
※お取り扱いは生協によって異なります。
INDEX
焼き立てのパンから漂う、香ばしくて芳醇な香り。食卓をちょっと幸せな気分にしてくれますが、何かと慌ただしい朝にパンを一から焼いて食卓に並べるのは、なかなかハードルが高いものです。
そんな理想の食卓を叶えてくれるのが、巽製粉株式会社(以降、巽製粉)が手がける「CO・OPブラウンサーブロール」。1986年に商品化され、今年で誕生40年を迎えた(※)生協のロングセラー商品です。製造段階では完全には焼き上げず、「半焼成」状態のパンを冷蔵で届け家庭のトースターで焼き上げることで、いつでも焼き立てを楽しめます。
そんなユニークなパンは、どんなきっかけで生まれ、どのように作られているのでしょうか。今回は、その製造現場を訪ねるとともに、近年登場した「生協の食パン」「生協のロールパン」についてもお話を伺いました。
※2026年取材時点
INTERVIEW

家庭のトースターで約2分。いつでも焼き立てのパンを味わえるCO・OPブラウンサーブロールは、朝食やおやつに重宝する食べきりサイズ
アメリカで出会ったパンを、
日本の家庭へ
今でこそ生協の定番商品として組合員に浸透している「ブラウンサーブロール」という名前ですが、誕生当時は半焼成で出荷するという方法はもちろん、名前も馴染みがありませんでした。
「昭和60年頃、ならコープさんが海外研修の一環でアメリカのスーパーマーケットを視察されました。そこで関係者の方の目に留まったのがブラウンサーブロール。実は、弊社が名付けた商品名ではないんですね。
白い状態のパンを家庭で焼き上げ、こんがりと茶色の焼き目の色(ブラウン)が付いたら食卓に供する(サーブする)。そんな商品の特徴を表した名前なんです。そして『これは良い商品だ』ということで、日本に持ち帰って来られ、当時からならコープさんとお付き合いがある弊社に、日本向けに開発して欲しいとご依頼いただきました。」
そう教えてくれたのは、巽製粉㈱取締役執行役員であり、同社の製パン部門を担うフローベル事業部長・大堂敦大さん。
左からフローベル事業部営業部長・石井 康成さん、フローベル事業部製造次長・辻田 優介さん、
巽製粉㈱取締役執行役員 フローベル事業部長・大堂 敦大さん
左からフローベル事業部営業部長・石井 康成さん、
フローベル事業部製造次長・辻田 優介さん、
巽製粉㈱取締役執行役員
フローベル事業部長・大堂 敦大さん
とはいえ、アメリカの商品をそのまま販売するのは難しい、日本の家庭事情がありました。
「1980年代半ばの日本では、冷凍食品が今ほど普及しておらず、家庭の冷凍庫も小さい時代。冷凍で商品を届ける流通環境も十分ではありませんでした。そこで、冷凍ではなく冷蔵で、かつ日本のくらしに合わせた工夫を加えた商品を目指し、数ヶ月試作を重ねて、1986年4月に現在のCO・OPブラウンサーブロールが誕生しました。」
届いた時には白いパン生地のような半焼成状態。焼き
上がった一般的なパンを温め直すのとはひと味違う、
半焼成から仕上げる焼き立てのおいしさを楽しめます。
イーストとバターの香り、しっとりフワフワの食感も
CO・OPブラウンサーブならでは
完成させないからこそ、
家庭で味わえる
「焼き立て」。
ほんのりバターが香る
チルドパンができるまで
CO・OPブラウンサーブロールの一番の特徴である「半焼成」という状態。文字通り、工場では完全に焼き上げず、焼き色がつく手前の状態で仕上げます。
「出荷までの工程が少ないから、製造もその分手間がかからないのかな?」と思ってしまいますが、そうではありません。
「完全には焼き上げない」という絶妙な状態を保ちながらチルド(冷蔵)でお届けするために、工場での管理は繊細だとフローベル事業部製造次長・辻田 優介さんが教えてくれました。
中種仕込み。
小麦粉、イースト菌、仕込み水などを混ぜてこねます。
中種は手で引き伸ばしても風船のように伸びて
破れない状態を目指します
中種発酵。
しっかりこねたあとは、温度27度、湿度約80%に
保たれた発酵室で、4時間半発酵させます
4時間半ほどかけて発酵させると、ゆっくりグルテンが形成されて、ふわっとしたボリューム感のある食感が生まれます。うま味もこの時点で生まれるので、「一番大事な工程」と辻田さん。
その後本仕込みでは、小麦粉を追加し、塩や砂糖、バター、北海道産クリームなどを入れてミキシングします。
「本仕込みの後、生地を休ませたら生地を分割し、さらに休ませてから成形。温度38度、湿度約85%のホイロと呼ばれる第二発酵室で1時間ほど発酵させます。ここでイースト菌が一番活発になるんです。」
写真はオーブンの小窓のイメージです
その後、いよいよオーブンへ。一般のロールパンは200度以上で焼成しますが、CO・OPブラウンサーブの場合は数十度温度を下げ、焼き色が付かないよう約9分間焼成します。とにかく焼き加減が難しい、と辻田さん。
「中まで火を通しながら、焼き色はつけないという微妙なラインで焼成を止める必要があり、季節や生地の状態を見ながら温度調整しています。ここで表面がこんがりおいしそうに焼けてしまっても、もちろん出荷できません。」
「半焼成」を目指して、オーブンの側面に設置された3カ所の小窓から焼き加減を細かくチェックします。
「その後、冷却、金属混入検査などを経て袋詰めし、もう一度金属探知機とウエイトチェッカーを通して、そのまま3〜5度の冷蔵庫へ。流通の冷蔵車も10度以下に保っています。
やはり通常のパンより焼成が少ないと、どうしても水分が多くなり、カビやすい。でも、10度以下という温度帯だからこそ、カビの発生を抑制できますし、通常のパンより逆に日持ちがするんです。」
家庭で焼き上げるまで“半焼成”の状態を守るため、焼成から流通までの細やかな品質管理、温度管理が必要なのです。
写真は
「CO・OPブラウンサーブロールさつまいも(8個入り)」。
甘露煮にした国産鳴門金時が練り込まれていて、
おやつにピッタリ
「一度焼き上がったパンを再度焼くと、どうしても多少の硬さが出ます。半焼成の状態で届けることで、焼いた時の柔らかさが違うんです」とフローベル事業部営業部長・石井 康成さん。
表面はこんがり香ばしく、中は驚くほどフワッフワ。焼き上がったパンを温め直すのとはひと味違う、焼き立てならではの食感が楽しめます。
毎日食卓に登場する
“いつものパン”を目指して。
お手頃価格の「生協の食パン」と
「生協のロールパン」
「生協の食パン」、
「生協のレーズン入りロールパン(8個入)」。
ロールパンはほかにも「生協のロールパン(10個入)」、
「生協の全粒粉入りロールパン(8個入)」があります。
近年、生協が取り扱う巽製粉のパンに、新たに仲間が加わりました。2023年と翌年に発売した「生協のロールパン」と「生協の食パン」です。
「『生協の食パン』は、小麦粉や油脂などの原材料価格が上がる中でも、毎日手に取りやすい価格とおいしさを両立したいという思いから開発しました。特別な味を目指すのではなく、日常として受け入れてもらえるパンを大切にしています。
小麦粉については、製粉業から始まった巽製粉が吟味した、カナダ産とアメリカ産のものを一貫して使っています。もっとコストがかからないものもありますが、こだわりは譲れません」と石井さん。
お手頃価格の商品だから原料価格も下げて、という使いわけはせず、CO・OPブラウンサーブロールと同じように、製造工程での中種発酵には4時間半ほどかけ、さらに湯ごね16%配合(対粉)でもっちりとした食感に。毎日食べられる、飽きのこない味わいが特徴です。
また「生協のロールパン」にも同じ小麦粉を使用。マーガリンやショートニングなどの油脂を使わず、その代わりに北海道産の生クリームを使っています。生クリームと聞くと、濃厚な味わいを想像しますが、食べてみると意外にもあっさり。
「生協のロールパンはプレーンが10個入りなので、家族みんなで食べてもらえるお得感も人気の理由です。ほんのり甘口のロールパンなので、アレンジして楽しんでいただきたいですね。」
時間をかけて30分ほど放冷
―【Column】―
CO・OPブラウンサーブロールの
おすすめアレンジ
CO・OPブラウンサーブロールはそのままでもおいしいですが、プレーンならホットドックにするのもおすすめ。とろけるチーズを乗せて焼くだけでもおやつになります。抹茶味は、生クリームとフルーツ缶でちょっぴり見栄えのするスイーツに。
焼いてからカットしようとすると柔らかくてきれいに切れないので、切ってから焼いてください!
※商品情報・役職等は取材当時のものとなります。
編集後記
奈良県桜井市、神宿る山として知られる三輪山を望む場所に工場を構える巽製粉株式会社(トップ写真)。明治10(1877)年に製粉所として創業し、昭和48(1973)年には製パンを担うフローベル事業部をスタート。以来、日々の食卓を支えるパンを手がけています。
取材中、大堂さんがお話くださった「今日の出来は最高、ではダメ」という言葉が印象的でした。その日だけ特別によくできたパンではなく、いつでも変わらぬおいしさを届けること。その積み重ねが、組合員の毎日の食卓を支えているのだと感じました。


























